コラム|誰もが投資家

 

私たちが企業の売却をお手伝いするとき、株主構成を精査します・・・誰がどれだけ持っているのか、誰が売却するのか。

その企業への「投資家」は法的には株主です。

取引先、金融機関、従業員は未払いがあれば債権者として位置づけられ、もし、未払いがなければ債権者ではなく、もちろん投資家ではありません。

 

でもそうでしょうか。

 

材料業者はその企業を信用してこれまでずっと掛売りし、銀行も信用してこれまでずっと貸付けし、従業員も限られた人生の時間をあるひとつだけの会社に投じてきています。従業員の場合、もちろん、給与という対価はもらっていますが、他社への就業機会があってもそれを見送り、また時には家庭の時間を犠牲にしながら、また、プライベートでも仕事のことを考えていることもあるでしょう。本人にとっては、その企業へ時間と体と頭脳を「投資」していると言えるでしょう。

 

現行の会計ルールの財務諸表では、バランスシートで負債か純資産で明確に区分されてしましますが、その中間に位置するステークホルダー(取引先、金融機関、従業員など)の地位を汲み取り、オーナーが株式の売却を検討する際は、十分に留意していくことが必要でしょう。