コラム|上場企業と後継者

昨日の東京株式市場は大幅高となり時価総額を2年ぶりに更新しました。しかしながら、多くの企業が持続的成長や投資家への説明責任を果たすうえで頭を抱えている事項があります。

 

「後継者計画」

 

これまで強いリーダーシップにより企業を牽引してきた経営トップの高齢化は、退任がトリガーとなりこれまでの企業成長を維持できるか否かが内部リスクとして位置づけられることとなります。これらは企業側の内部リスクの一部として、あたかも「免責事項」のようにこれまで開示されることがありましたが、昨今はそのリスク対応として「コンセッション・プラン」(後継者育成計画)を積極的に開示する企業が増えてきました。投資側としては大変頼もしくなりました。

コンセッション・プランの多くは、人材要件、リストアップ方法、育成方法、選任する機関などを明確に設定しています。ただ、育成した後継者にこれまで同様の企業成長を期待できるかどうかは難しい判断であるため、内部から育成するのではなく、外部からプロ経営者を招聘する方法を選択する企業もあります。サントリーでは世襲ではなくローソンから、LIXILのトップはGE出身、住友商事出身と続いています。ソフトバンクのアローラ前副社長も外部からでした。

このように中小企業から見ると順風満帆に見える大企業群も、「後継者をどうするか」というのは中小企業と同様に喫緊の問題となっており、投資家への説明に苦労しているのが実情です。

 

有能な人材や、潤沢な資金力をもつ上場企業をもってしても「後継者問題」を抱えるわけですから、経営資源が限られる中小企業ではより多角的な解決方法を検討していく必要があります。

 

親族内承継、企業内部人材によるMBOに加え、中小企業の「M&Aによる持続的成長」が後継者問題を解決する有力な手法の一つになりつつあるのです。