コラム|会社の所有と経営の「分離」のすすめ

「株式会社」は株主という所有者と、取締役という経営者の分離を前提とした制度です。

 

上場企業は、不正防止や株主への忠実義務などを果たすため、内部統制(J-SOX)やコーポレートガバナンス・コードの導入が進みました。また、一部の企業では財務諸表を中心としたアニュアルレポートではなく、企業活動などの非財務情報を含めた「統合レポート」を開示しています。不正取引や粉飾決算の防止・発見が進むとともに、企業活動の透明性が強くなっています。

 

一方で、零細企業は「株式会社」を適用していても所有と経営が同一であることが通常です。

このため、前述のような機能は働きにくく、企業オーナーの私費が帳簿のなかに混在していることもあります。「会計」と「家計」が混在していることで、せっかく優良な経営資源をもつ企業も第三者への承継が進まないことがあります。

また、旧オーナーが売却後に経営者として残留することありますが、その場合、未だ株主と同等の立場を貫いてしまう方もいます。

 

より一層、中小企業の流動化を進めるには、M&Aの成功数を高めるには、売却側の所有と経営の分離を理解し、実行して行く必要があります。とは言え、本業を行いながら、売却の準備や検討を行う余裕はなかなかないのが実情です。そんな時、ぜひM&Aアドバイザーをうまく利用してください。M&Aの一般論から、他の会社やそのオーナーの実例や、決算書の再作成など、本業に支障がないよう充実したサポートを受けることができるでしょう。

 

余談ですが、昨今、カーシェア、民泊などシェアリングエコノミーが目まぐるしく進展しています。これまで、車を乗りたい人がその車を所有することが当たり前でした。シェアリングエコノミーではその常識を覆し、所有と使用を分離しました。

「株式会社」においても、経営が得意な人が経営を行い、複数会社を所有して株の運用することが得意な人が所有を行うという分離が進んでいくことでしょう。