コラム|スウェーデンSpotify社の上場に見る日本の中小企業

2018年4月4日、NYSE(ニューヨーク証券取引所)にスウェーデンの音楽配信サービスを提供するSpotify(スポティファイ)社が上場しました。

上場方法に特徴があるとともに、日本の中小企業の事業承継における資本政策のあり方について考えましたので、ここに提言します。

まず、同社の上場では新株は発行しませんでした。上場とともに新株は発行し資金調達する方法が一般的です。寧ろ、なぜ資本コストを払ってでも上場するかと言えば、公募による「資金調達」が可能になるからです、いわゆるIPO = Initial Public Offeringです。

今回の場合は、直接上場と称し、発行済の株式のみを上場させ既存株主が市場で換金(売却)することを可能にしました。通常は引受証券会社へ負担する手数料を回避するとともに、新株発行によるDilution(希薄化)を避けることも可能にしました。つまり、創業者利益を確保しつつ、上場により株式の流動性を高めることを実現しました。

日本の中小企業は、所有と経営の分離が未発達です。多くの企業が、オーナー = 社長 となっており、社長の高齢化とともに資本政策の見直しが必要になり、これが事業承継問題につながっています。もし、日本の中小企業が、複数の株主のもと所有と経営の分離を実現させ、またガバナンスも強化することができるなら、事業承継は、単なる経営者の交代で解決することとなり、承継がよりスムーズになり、或いは事業承継問題自体が軽減できることでしょう。そもそも経営陣 = 取締役 は株主から選任される株主の代表であり、従業員の昇進の延長ではないのです。

そのために、日本の中小企業は企業が活発なうちに、資本政策、つまり株主構成について見つめ直していくことが必要です。