コラム|100%買収だからコントロールプレミアム

 

非上場企業の事業承継におけるM&Aは基本的に株式の100%が対象です。(上場企業、一定の規模のある企業の場合、1%の株式の持ち合いや、34%を取得する、51%を取得するなど多様な資本提携があります。)

非上場企業、中小企業の場合、シンプルな企業統治、オーナー=代表者としてシンプル且つ排他的な経営とすることが一般的です。従ってM&Aで株式を譲渡する、或いは買収する対象は基本的に100%であり、1/3を対象とする、49%を対象とするということは極めて稀です。

買収者視点において、1株当たりの価値は、収益アプローチ、純資産アプローチなどで試算されますが、取引の実情としては、何パーセントの買収かによってこの価値は変わります。

・株主総会への出席・配当のみを目的とした1%の株式保有

・人材交流、共同仕入など共同経営を目的とした1/3の株式保有

・親会社の事業の都合に合わせた100%完全支配

上記のような目的と議決権割合により、1株当たりの価値は異なり、コントロール(支配)できればできるほど価値があがります。この差額がいわゆる「コントロールプレミアム」となります。

 

平成最後の今年12月、最大規模となるソフトバンクのIPOが予定されています。これにより、ソフトバンクグループとの親子上場となります。親子上場は世界的にはあまり推奨されておらず、日本の株式市場で独自に散見されます。

なぜ、このような親子上場が世界的に推奨されていないかと言うと、少数株主(この場合、ソフトバンクグループ以外の一般株主)が意思が劣後となり、親会社の事業上の都合、意思が優先、支配されてしまうためです。

株式市場において、このようなデメリットを反映するディスカウントが効くかどうかは別にして、前述のコントロールプレミアムと同じ根源です。

 

つまり、コントロールが効けば株価にプレミアムをつけることができるし、コントロールが効かなければ単に配当(や値上がり)目的の株価となります。

 

そういう意味で、非上場企業の事業承継における売主としては、株式価値として良い値段がついていると言えます。

 

なお、次回は、中小企業における部分的な株式買収(及び譲渡)への「期待」について書きたいと思います。