コラム|売却するために用意するもの

会社を売る、或いはある事業のみ売る ということが一般的になってきました。

以前は 、身売りなどのネガティブなイメージが強かったですが、

・売却して新たな事業に投資する

・経営陣を刷新して企業改革を進める

というように、譲渡をきっかけに、新たな雇用や、企業の活性化を図ることが可能になります。

 

売却を考えたとき、いったいどのようなものが必要になるのでしょうか?

・最低限、財務諸表は必要です。

→いわゆる決算書ですが、中小企業でいう決算書はあくまでも税務上の決算書ですので、この内訳を整理し、簿外債務の存在確認、資産計上しているものに本当に資産性はあるのか、換金性があるのか、節税のための保険料、役員報酬、交際費など本業以外の費用がどれくらい含まれているのかを自ら確認し、買手候補へ提供する必要があります。M&Aのなかで決算書の開示を躊躇する売却者もいますが、論外です。最低限、財務諸表を開示しないと、買手候補は検討すらできません。売却したいのか、或いは売却して大金を得る夢を見たいのか、はっきりしないです。

 

・お金として勘定できないが事業における数値も大切です。

→ビジネス数値などとも言いますが、販売件数、リピート率、在庫の滞留日数、従業員数、従業員の定着率、沿革、許認可、など、業種にも寄りますが、決算書と同様に、これらは買手候補にとってかなり重要な投資判断材料です。中小企業の場合、オーナー社長の頭のなかで感覚としてとらえられていることも多々あります。しかし、M&Aによりオーナー社長はいつかは退任していくわけですから、この頭のなかの感覚を、M&Aの際に、数値或いは文章で「明示化」していくことが必須です。この明示化ができなければ、売却はもちろん、売却へ向けた交渉、商談すらテーブルに乗りません。

 

オーナー社長が長らく営んできた事業の内容は、オーナー社長にとって「常識」であり、あえて書類として開示しない、或いは文書化ができない という企業も一部にいますが、買収者にとってはその隠れた「常識」を知りたいわけであり、開示されないのであれば、それは、買収者にとっての「非常識」な位置づけになります。

 

売却を進めるには、買収者の心理を汲み取っていくことが必要です。